この記事の結論
- 外国人採用で関わる主要な在留資格は 特定技能(1号/2号)・技能実習(→育成就労)・技人国・身分系・留学 の5系統。
- 選び方の軸は 就労範囲(単純労働の可否)・在留期間・転職の自由度。自社の業務と必要期間に合わせて選定します。
- 制度改正に注意:育成就労は2027年4月施行、特定技能は2026年1月に19分野へ拡大。
在留資格を理解する重要性
外国人採用では、まず「どの在留資格の人材を、どの業務で雇うか」を正しく押さえることが出発点です。在留資格ごとに、就労できる業務の範囲・在留できる期間の考え方・いわゆる単純労働の可否・転職(転籍)の自由度が大きく異なります。ここを誤ると、本来できない業務に従事させてしまう「資格外活動」などの不法就労リスクにつながりかねません。
同じ「外国人材の採用」でも、即戦力を現場作業で長期に確保したいのか、専門職として技術・通訳業務を任せたいのか、就労制限のない人材を正社員として迎えたいのかによって、選ぶべき在留資格は変わります。本記事では主要な在留資格を一枚のマップとして整理し、自社の業務に合った選び方を解説します。
注意|在留資格と業務内容のミスマッチに注意
技人国(技術・人文知識・国際業務)の人材を製造ラインや清掃などの単純労働に就かせることはできません。業務内容と在留資格の整合性は採用前に必ず確認してください。
主要在留資格の早見表
外国人採用で関わることが多い主要な在留資格を、就労範囲・在留期間の考え方・単純労働の可否・転職の自由度で比較します。
| 在留資格 | 就労範囲 | 在留期間の考え方 | 単純労働の可否 | 転職 |
|---|---|---|---|---|
| 特定技能1号 | 人手不足の対象19分野での就労 | 通算5年(上限あり) | 可(現場作業を含む) | 同一分野内で転職可 |
| 特定技能2号 | 熟練技能を要する業務 | 更新可(上限なし・家族帯同可) | 可(熟練レベル) | 同一分野内で転職可 |
| 技能実習 | 技能移転を目的とした実習 | 最長5年(2027年4月から育成就労へ移行) | 可(実習の範囲) | 原則転籍不可 |
| 育成就労 | 特定技能1号水準への人材育成・就労 | 原則3年(2027年4月施行) | 可(現場作業を含む) | 条件付きで転籍可 |
| 技人国 | 技術・人文知識・国際業務の専門領域 | 更新可(業務継続で長期就労可) | 不可(単純労働は不可) | 同種の業務であれば転職可 |
| 身分系 | 永住者・定住者・日本人の配偶者等(制限なし) | 身分に基づき在留(長期) | 可(就労制限なし) | 自由(制限なし) |
| 留学 | 本来は就学(就労は資格外活動許可が必要) | 在学期間に応じて在留 | 資格外活動許可で週28時間以内 | アルバイト先は変更可 |
特定技能(1号/2号)
特定技能は、人手不足が深刻な分野で外国人材を「即戦力」として受け入れるための在留資格です。特定技能1号は対象19分野が定められ(2026年1月に19分野へ拡大)、在留は通算5年が上限です。同一分野内であれば本人の意思での転職が認められており、現場作業を含む幅広い業務に従事できます。
特定技能2号は、より高い熟練技能を要する業務が対象で、在留期間の更新に上限がなく、要件を満たせば家族の帯同も可能です。1号で経験を積んだ人材が2号へ移行することで、長期にわたる戦力化が期待できます。技能実習との違いは「特定技能と技能実習の違い」で詳しく整理しています。
POINT|2026年1月に19分野へ拡大
特定技能1号の対象は19分野です。自社の業務が対象分野に含まれるかをまず確認することが、特定技能採用の第一歩です。
技能実習・育成就労
技能実習は、技能移転による国際貢献を目的とした制度で、最長5年の在留が可能ですが、原則として転籍はできません。この技能実習は、2027年4月から「育成就労」へ移行します。
育成就労は、特定技能1号の水準を目指して人材を育成・就労させる新制度で、在留は原則3年。技能実習との大きな違いの一つが転籍で、育成就労では一定の条件のもとで本人の意思による転籍が認められる見込みです。育成就労から特定技能1号、さらに2号へとつなぐキャリアパス設計が、長期的な人材確保の基本となります。新制度の全体像は「育成就労制度とは|2027年4月施行」をご覧ください。
技人国・身分系・留学
技人国(技術・人文知識・国際業務)
技人国は、理工系の技術業務や、通訳・翻訳・海外取引といった人文知識・国際業務などの専門領域が対象です。原則として大学等の学歴または相応の実務経験が要件となり、製造ラインや清掃などのいわゆる単純労働には従事できません。専門職・ホワイトカラーの採用で活用されます。
身分系(永住者・定住者・日本人の配偶者等)
永住者・定住者・日本人の配偶者等といった「身分・地位に基づく在留資格」は、就労に制限がありません。業務内容を問わず雇用でき、転職も自由なため、日本人と同様に正社員として迎えやすいのが特徴です。
留学
留学の在留資格を持つ方は、本来は就学が目的ですが、資格外活動許可を得ることで原則週28時間以内のアルバイトが可能です。卒業後にフルタイムで就労してもらう場合は、特定技能や技人国などへの在留資格変更が必要になります。
自社業務に合う資格の選び方
どの在留資格が自社に合うかは、業務内容(専門職か現場作業か)・必要な期間・予算・転職リスクの4点で判断します。専門職・ホワイトカラーなら技人国、現場作業の即戦力なら特定技能、中長期で育てるなら育成就労、就労制限のない人材を求めるなら身分系、という整理が基本です。
| 判断軸 | 考え方 |
|---|---|
| 業務内容 | 専門職か現場作業か。技人国は専門領域のみ、単純労働は特定技能・育成就労・身分系で対応。 |
| 必要期間 | 短中期なら特定技能1号(通算5年)、長期なら特定技能2号・身分系。育成就労は原則3年。 |
| 予算 | 育成就労は入国前教育や転籍対策のコストを見込む。総コストで比較する。 |
| 転職リスク | 転籍・転職の自由度(特定技能は同分野内で可、育成就労は条件付き、身分系は自由)を踏まえ定着策を設計。 |
POINT|制度改正のタイミングを押さえる
育成就労は2027年4月施行、特定技能は2026年1月に19分野へ拡大。採用計画はこれらの施行・拡大時期から逆算して立てると安全です。
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よくあるご質問
Q. 在留資格と在留資格の「種類」はどう違いますか?
在留資格は外国人が日本で活動できる範囲を定めた法的な区分です。就労できるか、どの業務までできるか、在留できる期間や転職の自由度が資格ごとに異なるため、採用前に自社の業務に合う在留資格を確認することが重要です。
Q. 特定技能と技能実習はどう違いますか?
特定技能は人手不足分野での「即戦力の就労」を目的とし、同一分野内での転職が可能です。技能実習は技能移転による国際貢献が目的で原則転籍できません。技能実習は2027年4月から育成就労へ移行します。詳しくは「特定技能と技能実習の違い」をご覧ください。
Q. 単純労働ができる在留資格はどれですか?
特定技能1号/2号・技能実習(育成就労)・身分系(永住者・定住者・日本人の配偶者等)であれば現場作業を含む幅広い業務が可能です。技人国(技術・人文知識・国際業務)は専門領域に限られ、いわゆる単純労働には従事できません。
Q. 技人国(技人国)はどんな業務に使えますか?
技人国は、理工系の技術業務、通訳・翻訳・海外取引などの人文知識・国際業務といった専門領域が対象です。原則として大学等の学歴または相応の実務経験が要件となり、製造ラインや清掃などの単純労働には使えません。
Q. 転職の自由度が高い在留資格はどれですか?
身分系(永住者・定住者・日本人の配偶者等)は就労制限がなく転職も自由です。特定技能1号は同一分野内であれば転職できます。技能実習は原則転籍不可で、育成就労へ移行後は一定の条件下で転籍が認められる見込みです。
Q. 留学生をアルバイトで採用できますか?
留学の在留資格を持つ方は、資格外活動許可を得れば原則週28時間以内(長期休暇中は1日8時間以内)のアルバイトが可能です。フルタイムで就労してもらう場合は、卒業後に特定技能や技人国などへの在留資格変更が必要です。
Q. 自社の業務にどの在留資格が合うか相談できますか?
はい。業務内容(専門職か現場作業か)・必要な期間・予算・転職リスクをお伺いし、特定技能・育成就労・技人国などから最適な在留資格をご提案します。初回相談・お見積もりは無料です。